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日经春秋 20160226

 「勝てば官軍で、これはどうしても勝たねばならぬ」。大尉は兵たちに涙ながらに訴えたという。「みんなの生命をくれ」。のちに人間国宝となる落語家、柳家小さん師匠の回想だ。80年前のきょう、陸軍の二等兵だった小林盛夫青年は青年将校の反乱に巻き込まれた。

▼非常呼集でたたき起こされたのが午前2時ごろだったという。実弾を渡され、部隊はそのまま営門を出て警視庁占拠へ。「なんなんです、演習ですか」。昭和史を揺るがす二・二六事件の勃発だが、若き日の師匠はまだ訓練だと思い込んでいたそうだ。追いつめられた指揮官が苦渋をにじませるのは2日目の夜からである。

▼1500人もの下士官や兵を動員し、首都中枢を制圧したクーデターのわりには計画がずさんだ。決起すればあとは何とかなる――。青年将校らは壮大な勘違いにとらわれていたのだろう。迷惑なのは知らぬ間に反乱軍にされた兵卒である。ときにロマンを交えて語られる「二・二六」の理不尽を見定めなければなるまい。

▼腹が減って仕方なかった。1つだけの親子丼を60人で分け合った。小さん師匠はそう振り返っている。「親子丼を食うと思うな、精神を食え」と上官は言ったというから、その精神主義はのちの敗戦につながる旧軍の「伝統」だったろうか。師匠は士気高揚のため一席やらされたが、みなクスリともしなかったそうである。



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